そのひぐらし
爺は生まれてこのかた、日記というものが1年間続いたためしがない。
小学校のころ、夏休みに、"夏休みの友"という小冊子があって、その中に日記欄があって苦労したのを覚えている。夏休みが終わりに近づいて、つくつく法師が鳴きだすとあわてて日記をまとめ書きするのが恒例となっていた。そんな学童時代を過ごしてきたのだから、爺の人生なんておして知るべしである。
学生時代は挫折の連続であったし、社会へ出て、妙な正義感で自己満足したり、企業買収で冷や飯を食ったりの散々な生きざまであったように思う。その後、 定年退職をして、うろうろしてる間に喜寿を過ぎ、人生の終焉がかなたに見え始め、竹馬の友も一人欠け、二人欠け、するようになってきた。そして、今年で84歳を迎える。